当サイトではこれまで様々な旧マイカルに端を発すイオンモールについて特集してきており、その中でも特に規模の大きい「マイカルタウン」と呼ばれる施設については以下ページにてまとめを作るほどしっかりと特集をしている。
今回はそんなマイカルタウンのうちの一つ「マイカル桑名(現:イオンモール桑名)」について特集する。旧マイカルが開発したマイカルタウンの一つとして1995(平成7)年に開業。マイカルの破綻により現在はイオンモールとして営業を続けている。今回はそんなマイカルタウンの一つ「イオンモール桑名」について、その様子を詳しく見ていくこととしよう。
マイカル色の残るイオンモール「イオンモール桑名」
イオンモール桑名は、三重県桑名市に立地する大型商業施設。旧マイカルにより1995(平成7)年に開業した。運営はイオンモール及び三交不動産(地元企業)の2社によって行われており、三交不動産側では「ANQ(アンク)」という名称が付けられている。ANQ運営エリアとイオン運営エリアはある程度分けられているものの、実質的には1つのモールとして運営が行われているのも大きな特徴となっている。
建物は商業部分が1/2/3番街の3棟、それに加えておびただしい数の駐車場が整備されており、斜面上にモールが作られていることもあいまってなかなかに複雑な構造をしている。周辺を見ても一目瞭然だ。とはいえ、一応コンセプト的には「水平の外観」というものがあるようで、なかなかに矛盾したものを感じずにはいられない。
3つの商業エリアは「サークルブリッジ」というペデストリアンデッキを経て繋がっており、道路を隔ててはいるものの信号等に悩まされることなく移動することが可能。とはいえ、1番街の3Fが2/3番街の2Fになっているため、感覚的には少し違和感を感じてしまいそうではある。
そんなマイカル桑名の内部はどうなっているのだろうか。ここからは、その中身に触れていくこととする。
個性的な風景が随所に残る
1番街
まずは1番街から。入口こそそれっぽい色になっているが、周辺の駐車場や看板は今も黄緑色のまま。何だか不思議な光景である。
1番街はイオンモール桑名・ANQ専門店街の中でも最も規模の大きいエリアとなっており、核テナントが多く入居しているほか、イオンモール桑名名物「音と光の噴水ショー」(後述)や、ヤシの木なども設置されており、非日常感あふれる景色が随所に広がっている。
緑の景色と金色の手すりが妙に目立つ、豪華そうな階段も設置。バブル後の開業(1995年)のはずだが、計画時はバブルの雰囲気も色濃く残っていたのだろう、イオンの中にポンと置いてあるからか違和感がある。
中のテナントも見てみたが、こちらは普通のイオンとあまり遜色はなかった。「イオンスーパーマーケット」という名称が別途記載されているのは、このあたりではなかなかに珍しいかもしれない。
2番街
2番街へと移ろう。2・3番街は1番街と比べるとかなり小規模で、核テナント+αという様相が強い。2番街は元々1階にホームセンター、2階にボウリング場が入っていたが、現在は1階部分が1番街に移転しているものの、2階エリアは現在もボウリング場が設置されている。
2階部分に関しては謎の巨大なルーレット風の天井が設置。こちらはマイカル時代のものではなく、2015年~2017年に営業を行っていた「NOSICA」という施設のものらしい。
3番街
最後に3番街へ。こちらはかつて1階にレストラン街「粋族館」が、2階に室内遊園地「ダイナレックス」が、その上の階に映画館が設置されていた。映画館は現在も運営が続けられているほか、1階部分についても飲食店が残っており、さすがに当時のままという訳にはいかないものの、よくよく観察するとその面影がかなり残っている。
シネマ部分については「ワーナーマイカル」時代のものが、2階部分については「ダイナレックス」時代らしい殺風景な天井が、そして1階部分についてはレストラン街らしい雰囲気が広がっていた。このあたりは知っていると本当に面白い。
まあ、現在家電量販店が入居しているエリアはなかなかに落ち着かない雰囲気が広がっていましたが・・・(苦笑)
※こんな場所ですが、元々噴水があった場所だったりします
あまりに目立ちすぎる噴水
イオンモール桑名の名物といえば、何と言っても1番街にある巨大な噴水だろう。かつては随所に水を使ったアトラクションが設置されていたようだが、2024年現在残っているのはこれ1つのみ。とはいえ、その圧倒的な大きさ、そしてこれが室内に設置されているという事実は驚き以外のなにものでもない。
噴水ショーは毎時0分からスタートする。噴水ショーには「ロングショー」と「ミニショー」があり、
ロングショー:13時~、15時~、17時~、19時~
ミニショー:12時~、14時~、16時~、18時~
となっている。ロングショーは10分ほど続くかなり規模の大きなショーとなっているため、時間的な都合に合わせてショーを楽しみたい。
今回はロングショーを鑑賞。音楽とともに噴水の向きや高さ、照明などが変わるという一般的なショーだが、室内で行われているというその状況もあり非常に迫力がある。無料で見られるのもなかなかに凄いのだが、何よりもやはりここがイオンモールの中だということには本当に驚かされる。こんなものを作るマイカルもなかなかのものだが、それを受け継いで今も続けるイオンや三交不動産もなかなかに狂っている。
1番街の様子を上から見つめる。マイカルが夢見たものは、一体何だったのだろうか。夢は実現したのだろうか。そんなとめどないことを考えながら、施設を後にした。