天神橋筋商店街は「大阪三大商店街」の一つに数えられる、大阪で最もにぎわいのある商店街の一つとしてその名が知られており、天神橋筋商店街そのものが「日本一長い」とも言われる超長大なアーケードを持っていることもあってか、口のうるさいなにわ人の方々も好んで利用する見どころ満載のスポットとなっている。
そんな天神橋筋商店街は、大阪天満宮のすぐ南側、天神橋1丁目からその商店街が北に向かって始まっているわけだが、その北端がどこに位置しているというのかということは案外知られていない。一般に「天神橋筋商店街」として知られているのはアーケード街の続く六丁目までのエリアになるのだが、実はその先にも「天神橋7丁目」「天神橋8丁目」という住所が実際に存在しており、商店街そのものもその先まで続いているというのだ。
これに関しては「大阪メトロ」のホームページにも記載されており、このサイトによると、地下鉄谷町線・堺筋線・阪急線「天神橋筋六丁目駅」の4・6番出口からアクセスできるとのことだ。どうやらこれについては本当のことらしい。
ということで今回は、そんな天神橋筋商店街のアーケード街のその先、「天神橋7丁目」「天神橋8丁目」にフォーカスをあて、実際に何が存在しているのか、その状況をお届けしようと思う。
逆6の字型商店街「天神橋7丁目」
ということで、地下鉄「天神橋筋六丁目」駅にやってきた。かつては天六(てんろく)と呼ばれることのほうが多かったこの駅も、地下鉄のアナウンスが天六の呼称を用いなくなったこともあってか、最近は天六という名前の知名度もやや下火になってきた気がしなくもない。しかし相変わらずすごい人出だな。さすがに「大阪三大商店街」と呼ばれるだけのことはある。
そしてそのアーケードを挟んだすぐ北側、都路通を挟んだ北側から先が天神橋7丁目となっている。しかしのっけから「ジオタワー天六」なる高層マンションが建ってしまっているし、その下層階には小金持ち層ご用達スーパー「阪急オアシス」が入居していたりと、商店街という雰囲気はいったいどこへやら・・・といった様相だ。梅田まで2駅だし、アクセス良いのは事実だけどね。関東出身の取材班としては東京の武蔵小山に通じるものを感じてしまう次第だ。
実際のレポートに入る前に、ここで少し説明を加えておこう。天神橋7丁目の商店街は以下のようになっており、通常の商店街とは少々形状が異なっている(逆6の字形をしているのが特徴)。また、同じ丁目の中でもいくつかの商店街が共存しており、下の円状になっている部分が「天神橋七丁目商店街振興組合」、上にまっすぐ伸びている部分が「天七商店会」「天神橋七丁目中商店会」「天神橋七丁目北商店会」となっている。それぞれ違う形の看板が設置されているため、見比べてみるのも良いかもしれない。
まずは「天神橋7丁目振興組合」のほうから。この辺に関してはまだまだ駅前・アーケードのすぐ近くということでそこそこのにぎわいを見せてはいる。しかし高層マンションと雑居ビルとが隣接していたり、チャリンコがズラーっと通路を埋め尽くすように駐輪されていたりしてなんだか下町なのかどうなのか分からなくなってしまう。
しかしやっぱりここは下町だ。「飽きがくるほどアゲガデカイ! けつねうどん」だなんて書かれた少々ダサめの看板が客を出迎える。しかも黄色い看板に黒文字というのがラーメン二郎みたいでまた良い。ちなみに「けつねうどん」というのは「きつねうどん」のことを指しており、最近ではチェーン系のうどん屋が増えてしまったこともあって「けつねうどん」という名前を見ることも少なくなってしまったが、もともと大阪では「けつね」と呼んでいた。ヒレ肉のことを神戸では「ヘレ」と書くが、それと同じような感覚だ。
そしてその看板の裏はこんなノリ。「下品なくらいにダシが濃い!」という、いったいアピールになっているのかどうかもよくわからないアピール文が書かれているが、すいません、ちょっと何言ってるかよくわかりません。
そんな天神橋7丁目振興組合の看板がこちら。非常にシンプルな構成である。・・・特徴なさすぎそれ以外にコメントなし(笑)
続いて「天七商店会」について。こちらの街灯は「7」をモチーフにした謎のキャラクターが描かれている。なお、こちらの種類の街灯は非常に希少な存在で、取材班が訪問した際には↑の写真にある2つしか確認できなかった。
ちなみに上の写真に「餃子の王将 天六店」と書いてある通り、この周辺には「天六」を名乗る店が多く存在している。一瞬知名度のある「天六」にあやかったものなのかと勘違いしてしまうが、このウラにはちゃんとした理由があり、もともとここが大阪市大淀区天神橋筋六丁目という地名であったことに由来しているそうだ。地名というのは本当に不思議なものだ。
天六側では人も多くにぎわっていた天神橋7丁目の商店街も、ここまで来ると人も少なく営業中のお店も少なくなってきているようだ。街灯や看板が並んでいるあたり、商店街としての体裁こそ整っているが、しかし実際はお店というよりも住宅ばかりが目立つ状況で、寂しさの目立つ状態が続いている。
寂しさ漂う天神橋7丁目だが、商店面での需要はなくとも、住宅面での需要は大いにあるようで、こんなどでかい高層マンションが鎮座している始末。しかしこの手のマンションに住んでいる人間って、結局商店街で買い物したりしないんですよね。スーパー直行!!商店街?何それ、おいしいの??ってなってるのが現実です。
商店街・・・なのか?「天神橋8丁目」
天神橋7丁目の商店街をまっすぐ進み、城北公園通をまたいで北側に入った部分には「天神橋筋8丁目商店街」が広がっている。一般に言われる「天神橋筋商店街は2.6kmの長さ」という表現は、天神橋1丁目から7丁目までのことを指す表現となっているので、ここに関しては含まれていない。
しかしこちらはもはや商店街と言って良いのかと言いたくなるほどの状態で、お店の数も少なく、人通りも少ないと言わざるを得ない。というより、ほとんどいない。これに関しては別のブログでも「街灯整備したかっただけ?」という指摘がなされており、建物が古い割にお店の跡地と見ることのできる場所も少ないことや、もともとこの一帯が工場地帯に近い性格を有していたという歴史から、実際ここも商業地帯ではなく工業地帯として発展した場所だったのかもしれない。天六からも相当離れているし、梅田行のバスがこの近くを相当頻繁に通るとはいえ、さすがに難しいものがあるよな。
ちなみに、この周辺における住宅以外で最も大きい建物がこちら、「創価学会大阪北文化会館」さんだ。タワマンが何棟建とうとも、ここはやはり大阪なのだ。
そしてその裏にある幼稚園が「宗教法人 正蓮寺附属 愛の恵幼稚園」・・・ デベロッパー業者のみなさん、いくらここに需要があるからといってこんな場所にタワマンぶっ建てまくるのはマズい気がするんですが、気のせいでしょうか。