近畿兵庫県明石市

元・マイカル明石「イオン明石ショッピングセンター」の広すぎる中身を観察する

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高校3年生までの医療費無料、中学校の給食費無料といった様々な施策で子育て世代から人気を集める街、兵庫県明石市。最近では神戸市がそれに危機を覚えているようで、JR明石駅に挑発ともいえる広告を打ち出すなど、その施策による効果は計り知れないものがあるようだ。

JR大久保駅

さて、今回やってきたのはJR大久保駅。西明石駅の隣に位置する駅だ。神戸市中心部からは20分以内、大阪からも乗り換えが必要にはなるものの40分ほどと、十分通勤圏にあるエリアだ。990円という運賃は少々高い気もするが、距離を考えたら仕方ないか。

マイカル明石 1番街

そんなJR大久保駅だが、その南側にはイオン系列の超巨大な商業施設があるのだという。しかもその施設は、あのイオンではなく、かつて業界を席巻した大企業・マイカルによって作られたのだというから驚きだ。今回は、そんな巨大ショッピングモール「イオン明石ショッピングセンター(旧・マイカル明石)」について、その歴史と様子についてお届けしようと思う。

旧マイカル明石「イオン明石ショッピングセンター」、その歴史

マイカル明石

マイカル明石

イオン明石ショッピングセンターは、兵庫県明石市に位置するショッピングモールだ。1番街・2番街・3番街・5番街の4つの棟で構成されており、周辺地域と合わせて「大久保オーズタウン」という新興住宅地を構成している。もともとは神戸製鋼所の工場があったそうで、それを再開発して作ったものなのだそうだ。なお、上の地図では「日本たばこ産業」という表示が見えるが、現在はこちらも撤退済。こちらも新たに住宅街が作られる予定だ。

マイカル明石

現在はイオンとして営業としているイオン明石ショッピングセンターだが、この施設はもともとサティなどを運営していた「マイカル」の商業施設として1997年に開業していた。それがマイカルの経営破綻に伴い、イオンの傘下に。今に至るまでイオンの所有物として存続している。マイカルとしての運営はわずか4年だけというから、その歴史には目を見張るものがある。

マイカル明石

とはいえ、元々ここはマイカルの施設としてオープンした施設。平成が終わり、令和の世となった今も、その痕跡が数多くに残っているから面白い。ここからは、イオンとなった後もマイカル感が強く漂っていると言われるその中身を詳しく見ていくこととしよう。

マイカルの遺構残りすぎる店内

旧マイカルのブランド名が存続! 1番街「明石ビブレ」

マイカル明石

まずは駅から一番近い「1番街」から。1番街は「明石ビブレ」という名前が付けられている。ビブレという名称そのものがマイカルの前身・ニチイによって作られたビルであることから、既にその面白さが感じられる。

マイカル明石

そんな明石ビブレの中身だが、2017年から2018年にかけて大規模なリニューアルが行われたようで、現在はその面影はあまり残っていない。ただ、いかにもイオンらしい景色があるのかというと決してそんなことはなく、全体的に高級感残る仕上がりとなっている。ここはやはり「ビブレ」ブランドなのだろう。丸井やパルコあたりが競合に上がるのもうなずける。

マイカル明石

マイカル明石

実際にフロアを回る。やはりここはビブレだ。明らかに普通のイオンとは違う店舗がズラズラと並んでいる。元々ファッションビルとして生まれたこの明石ビブレだが、そのDNAが今も受け継がれているようだ。しかし、今に至るまでこんな場所で営業を続けられるなんて驚きだ。丸井やパルコなら速攻閉店するような場所なのに、イオンはやはり凄いね。

マイカル明石

食品売り場へと駒を進める。ここはかつて直営の食品売り場があったそうなのだが、こちらも2012年に「VIVREキッチン」へと改装、現在は個性的な専門店が並んでいる。鮮魚・精肉・青果店などが軒を連ねており、まるでスーパーのように見えるが、あくまで別々の店舗なので要注意だ。

マイカル明石

マイカル明石

6階のイオンシネマへも寄ってみる。が、ここに関しては明らかにワーナーマイカル時代の面影が残っていて本当に面白い。映画スタジオを模した豪華な設備、暗めの照明、そしてなぜか描かれている宮崎駿作品の壁画・・・ すいません、よくわかりません(笑)

マイカル感強すぎの2番街

マイカル明石

1番街を抜け、2番街へと行こう。2番街は2階建て。1階が「AKASHI DINING」という飲食店街、2階が普通の専門店街となっている。1階がレストラン街というのも珍しいが、これもマイカル明石の時代の名残なのだろうだ。

マイカル明石

1階から中に入っていこう。先ほども書いた通り、1階は飲食店街となっている。かつては「海のルネッサンス」なる、海底をイメージした強烈なテイストの飲食店街があったそうだが、現在はイオンらしい小綺麗なものへと改装されている。

マイカル明石

2階へと上がっていこう。こちらは普通の専門店街となっているのだが、どういう訳か各所に小刻みな階段が設置されており非常に動きが取りづらい。健康な若い人なら良いかもしれないが、高齢者や車いすの人なんかには相当厳しいだろう。

マイカル明石

こんな階段があるのにも理由があり、かつてマイカル明石時代として営業を行っていた際、ボウリング場や室内遊園地があった名残となっているのだという。

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