数か月前、そごう西神店の後継として入った商業施設「西神中央駅ショッピングセンター」について特集を行った。
そして2022年4月1日、この西神中央駅ショッピングセンターが新たに「エキソアレ西神中央」として全面オープンを果たした。今回は、この「エキソアレ西神中央」について、その概要と内部の様子を見ていくとする。
西神そごうをまるまるリノベーション「エキソアレ西神中央」
エキソアレ西神中央は、兵庫県神戸市西区にある商業施設だ。かつてこの地で営業を行っていた百貨店「そごう西神店」の建物をそのまま居抜きで入居する形で2022年4月1日に開業した。運営は総合商社の双日によって行われており、かつて「生きる廃墟」として悪い意味で話題になってしまった「ピエリ守山」を立て直した実績があることから、運営者としては申し分ないだろう。
先ほども書いた通り、元々そごうとして開業したこの施設。2020年8月をもってそごうが閉店したのち、神戸市交通局傘下の「神戸交通振興」によって2020年12月に1階と5階が営業を再開(2022年3月31日をもって当該組織は解散)。その後1年半部分営業を行ったのち、2022年4月に「エキソアレ西神中央」という形で新たに開業し、今に至る。近年閉店した他のそごう店舗に比べても非常にスピーディーな展開だ。2016年に閉店した柏のそごう跡地なんかいまだに廃墟なんですが、いつになったら変わるんでしょうかねえ・・・。
西神そごうからの変わりっぷりを見よ!
エキソアレ西神中央とその前身店舗の経緯について軽く触れたところで、その中身へと入っていこう。そごう名物・イッツアスモールワールド時計はエキソアレとなった今も現役。1時間ごとに鳴る鐘の音がうるさい印象的です。
テナント構成はこんな感じ(見づらいので公式サイトでどうぞ)。「無印良品」「ニトリ」「TSUTAYA」「ダイソー」が核テナントとなっており、集客に関しては問題なし。駅のすぐ隣にあるプレンティ西神との競合が心配だが、駅直結というのはさすがに大きいか。
中に入っていこう。1Fは食品売り場となっており、そごう時代から相変わらずの混雑っぷり。
イ〇ンのようないかにも安っぽい構成になっておらず、そごう時代から入居している「ゴンチャロフ」や「モロゾフ」が引き続き入居し続けるほか、スーパーも「パントリ―」が入るなど、元百貨店らしくやや高めの品揃えを充実させているのが好印象だ。さすがに元々百貨店だっただけあり、このあたりの需要はそれなりにあるのかもしれない。
食品売り場にもかなり趣向が入っており、沖縄発祥のアイスクリーム店「ブルーシールアイスクリーム」や神戸名物の駅弁「淡路屋」も入居。淡路屋の駅弁、売り切れまくっててすごかったです。
2階を見ていこう。2階には無印良品や雑貨店の「ラコレ」、化粧品店の「アインズ&トルペ」などが入居。通路も広く、お買い物客の多い訪問時もかなりスムーズに通行が出来ていた。そごう時代から化粧品売り場だったこともあり、比較的明るい電飾の施されているのが特徴だったが、うまく活かされている印象だ。
続いては3階へ。3階は大手家具店のニトリが1フロアをまるまる使う形で入居。ニトリ以外に見るものがないからか、全体的に混雑するエキソアレ西神中央の中でもここだけは比較的のんびりとした時間が流れていた。ニトリらしい暖色系の目立つ電飾を用いているのは流石だ。白っぽい背景が目立ったそごう時代とは全く違うから面白い。
4階へとやってきた。4階は書店のTSUTAYAや100円ショップのダイソーが出店。今回の目玉ということもあってか、非常に多くの人で賑わっていた。
どこにでもありそうなテナントばかりが並ぶこのエキソアレ西神中央だが、そこはさすがに新規の施設。ダイソーには300円均一の「THREEPPY」なるコーナーがあるほか、
TSUTAYAには超巨大なステーショナリーコーナーがあったりと、非常に特徴のある施設づくりがなされていた。TSUTAYAそのものもどことなく高級感が漂っており、落ち着いた空間の中でお買い物を楽しむことができる。西神中央駅ショッピングセンターの記事で「安っぽい」とか言ってしまい、本当に申し訳ありませんでした。
ちなみにこのステーショナリーコーナーにはなぜか食品が置いてある・・・「ステーショナリー」ってなんだっけ??(笑)
最後に5階へ。この階はそごう時代から営業を続ける店舗と新規に出店した店舗が混在しており、レストラン以外の店舗が大幅に増やされるなどの変更点はあるものの、そごう時代の「川の流れるレストラン街」の跡が残されるなどの工夫も残されている。
注:そごう時代の「川の流れるレストラン街」
5階のフロアガイドは以上の通り。「レストラン街」と書いていない通り、レストランがメインとなっていないのはお分かりの通り。全体の半分以上がレストラン以外のテナントで占められており、その中でも学習塾がかなりの部分を取っていることがわかる。良くも悪くもちゃんとテナントを埋められているあたり、流石である。
なお5階フロアには運営者である双日とゆかりのある神戸発祥の総合商社・鈴木商店の歴史を紹介するパネルが設置されている。エキソアレ西神中央と鈴木商店に直接の関係はないものの、双日の原点に鈴木商店があることから、どうせならということで作られている模様。おばあちゃんグループが見入っていたのが微笑ましかった。
そごう西神店をリノベーションする形で開業したエキソアレ西神中央。全国各地でそごうの跡地利用が模索される中、どのような示唆を与えてくれるのか。今後に注目だ。