近畿兵庫県豊岡市

ここはヨーロッパか!?山陰本線「江原駅」前に広がる西洋風の街並みの謎に迫る

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JRで最も長い路線が「山陰本線」であることは鉄道ファンの間では周知の事実となっているが(東海道・山陽新幹線は「東海道新幹線」と「山陽新幹線」の2つに分かれており、それぞれの距離でいうとそれほど長くない)、その山陰本線において、近畿地方にある区間が思ったほど長い距離であることは意外にも知られていない。

江原駅

今回やってきたのは、兵庫県豊岡市に位置する山陰本線の駅、「江原駅」である。かつては兵庫県日高町の中心駅としての役割を果たしていたのだが、現在は「平成の大合併」により豊岡市に吸収合併され特急こそ今も停車し続けているものの、中心駅を豊岡駅へと譲りその役割は以前ほど大きくはなくなってきている。

江原駅

とはいえ、フジテックのエスカレーター開発・生産拠点があることや駅のすぐ目の前に割と規模の大きな高校が位置していることもあり、地方にしてはそこそこにぎわいを見せることもあり、なかなか面白い風景を見ることのできる駅となっている。

そんな江原駅とその周辺だが、なんとこの地方のひとつの駅に過ぎない駅前に「不自然すぎる西洋風の風景」が広がっているという。地方風の牧歌的な風景が広がることで知られる山陰本線沿線だが、実際そうであるはずの駅前になんとも不思議な光景が存在した・・・。

地方の小駅とは思えない美しい駅前とその周辺・・・

江原駅前

江原駅の改札を抜け、メインゲート・東口の出口を外へ向かうと、いきなり洋風建築にガス灯(を模したもの)、そして石畳によって構成されたヨーロッパ風の街並みが現れる。これまで田んぼの中をずっと走ってきただけに、随分と違和感を覚える風景だ。周りに高い建物が無いせいか、ヨーロッパ風の建物以外の建造物が一切存在せず、まるでディズニーランドのような錯覚を抱いてしまう。なんなんだこの街は。

江原駅前

駅前ロータリーを見てもこの有様だ。ロータリーの真ん中には謎の時計台が建ち、日本らしい風景はわずかに残る交通看板のみ。心なしか駅を発着するバスまで風景に配慮したものなのかと勘違いしてしまう。

江原駅前ロータリー

もちろんこんな状態になったのには理由がある。もともとこの駅は関西でもきっての名門スキー場、「神鍋高原(かんなべこうげん)」へのゲートウェイとなっており、その玄関口としてスキー客を盛り上げよう!!ということでこの建築様式を採用したそうだ。しかもわざわざ駅前を「景観形成重点地区」に指定し、建設規制を加えた上でまちめぐりを進めた、というこだわりっぷり。とはいえ、自動車の普及が進んだ現在では神鍋高原へのバス利用者もだいぶ少なくなってしまったようで、現在では12往復を残すのみ。しかも利用者が多いはずの午前中は4往復のみと、実に寂しい状況だ。特急がこの駅に止まるのも、もっぱら地域住民の便宜・通勤・通学のために止めているという側面が強く、観光客は城崎温泉に行ってしまうという状態が長く続いている。一応、植村直己冒険館などの観光名所もあるんだけどね・・・


江原駅東口

美しい風景を見せる江原駅周辺だが、ヨーロッパ風の街並みが整備されているのは東口の駅前だけで、駅のロータリーを抜けるとすぐに地方らしい「いかにも」な風景が出現してくる。予算との兼ね合いでこのようにしたのだろうが、なんだか中途半端な光景だと感じずにはいられない。まあ世の中こんなもんと言えばこんなもんか。

江原駅西口

西口に至ってはのっけからこんな調子である。いかにも地元の人が使いそうな電気屋にスポーツ用品店、そして小規模ホテル「神鍋グリーンホテル」が存在するのみだ。お店が存在するあたり、まだ良いのだろうが、東口とは比べものにならない貧弱な状態で、格差を感じずにはいられない。豊岡市営バスはこっちから発着するみたいだし、別に普通なんだけどなぁ・・・。

超土着型駅前商店街「サンロード」

江原サンロード

そんな江原駅周辺だが、実は駅前に「サンロード」という名前の商店街が存在している。飲食街は駅に面するということもありヨーロッパ風の豪華な建物が整備されているものの、それ以外のお店は都会のアーケード商店街などと違い、道沿いに建物と駐車場が並んでいるだけの比較的簡素なもので構成されている。しかし、それでも一通りの品物が揃うようには作られており、この手の街にしてはなかなかの規模だ。

江原駅前サンロード

しかし、実際にはその商店街もかなり苦しい状態にあるようで、お店そのものは営業し続けているものの、建物は老朽化が進み、入居中のお店も看板が色あせ、駅前側こそちゃんと整備しているが、その奥は古さが隠せなくなってしまっている。

江原駅前サンロード

その奥にはこれまたやや新しめの建物が造立されている。しかし、こちらは空きテナントとなっているようだ。まだ新しいのにもったいない。でもこんな建物が作られているだけでも、最盛期はどれほどのにぎわいだったのかが想像できる。ま、それでもやはりスキーといえば東日本なのだろう、北海道や関東地方の著名なスキー場のある玄関口に比べれば比べ物にならないほど小さな規模でしかないんですけどね。

江原サンロード スーパー跡地?

先ほどの建物の向かい側にはおそらくスーパーか何かと思われる施設の跡地があった。地場チェーン中心のスーパーも近年では全国展開が大幅に進んできており、「イオン画一化現象」とでもいえるような現象が出てきているが、どうやらここもそれに負けてしまったようだ。もっとも、ここの対戦相手はイオンではなく近くにある「業務スーパー 日高店」だったりするんですが。

サンロード飲食街(1番街)

さて、先ほども書いた通り、サンロードの中でも駅前に面している「一番館」に関しては立派なヨーロッパ風の建物とそれに伴うアーケードが整備されており、「他とは違う」格の違いを見せつけるかのような様相で我々を待っている。

サンロード江原 アーケード内

しかし、その肝心のアーケードの内部はといえば、スキー場の最寄りとしての貫禄こそあるものの、その中身はまるで進歩していない。もう平成も終わり令和に変わっているのにも関わらず、この中はいつまで経っても昭和のままだ。

サンロード江原1番街

そして「飲食街」「本」とでっかく書かれていたこの一番館だが、それがどこまで守られているかというのもこれまた怪しい。中に入っているテナントの中には確かに飲食店もあるのだが、それでも全体の半分程度。フリーマーケットだったり、なんだか何してるのかわからない店が入ってたり、今でこそ飲食店が入っている区画にも「レコードショップ」の文字が色濃く残っていたりと、何だかどこまで情報を信じて良いのか一体よくわからない。

バーガーシティ サンロード店

そんな江原サンロードにおいて、一際目立っているお店が存在するのだが・・・ これについては次の記事で書くことにしよう。乞うご期待!!

<続きはこちら>

日本最後の生き残り、豊岡市「バーガーシティ サンロード店」で幻のハンバーガーを食らう。
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