神戸市須磨区で唯一、大規模な商店街が立ち並ぶ街・板宿。下町風情の少ないこの須磨区にあって、その商店街の規模の大きさには訪問するたびに度肝を抜かせられる。
そんな板宿地区には10を超える数の商店街や市場が軒を連ねており、駅を中心に東西南北、実に多数の商店街が形成されている。今回は、そんな板宿駅周辺に位置する商店街・市場をひとつひとつご紹介することにしよう。
板宿エリアにおける商店街とは
板宿エリアには実に多数の商店街や市場があり、その数はなんと13にも及ぶ(注:一部再開発が行われているため、上の地図にある商店街が全てある訳ではありません)。山陽電車・神戸市営地下鉄板宿駅の周辺に固まって存在しており、駅の北側に多く並んでいるのが特徴だ。
13というと途方もない数のように見えるが、実際はこれでも少なくなったほうで、1970年代までは再開発ビル「ビバタウン板宿(1982年開業)」のある場所にも商店街があったというから驚きだ。逆に言うと、1982年からあまり再開発が行われないまま今に至るという訳で、これはこれで凄い。商店街の力が強かったんでしょうね。もちろん阪神・淡路大震災も影響しているとは思いますが(隣の新長田地区は大きく景色が変わりましたしね)。
そんな現在も多数の商店街や市場がある板宿エリアの現在の状況はどうなっているのか、ここからはそれぞれの商店街を一覧形式で紹介していくこととする。
板宿エリアの商店街/市場一覧とその概要
板宿エリアにある商店街・市場の一覧は以下の通り(赤色はアーケード付・名称をクリックでその商店街・市場の項目に移動します)。
板宿本通商店街
板宿本通商店街は、神戸市営地下鉄・山陽板宿駅のすぐ北側にある商店街。数ある板宿の商店街の中でも最も規模の大きな商店街となっており、複数の商店街や市場が分岐する拠点となることもあってか、時間を問わず多くの人々で賑わいを見せている。しかしこのアーケードのご立派なこと。
商店街の中へと入っていく駅と再開発ビル「ビバタウン板宿」との間を結んでいること、集客力の高いチェーン店が複数並んでいることもあり、200mほどとそれほど距離はないものの非常に多くの通行がある。
商店街の中にはやどかりをモチーフにした「いたやどかりちゃん」なるキャラクター、そして関西が誇るラジオDJ・ターザン山下さんの姿も。ちなみにターザン山下さんは須磨区ではなく兵庫区の出身だそうです。
とはいえ、すごい人出の多さだ。商店街らしい中小のお店が頑張る様子も見ることが出来るし、「現代の商店街」として理想的な姿を見せている板宿本通商店街の姿でした。
銀映通商店街
板宿本通商店街東側、山陽電車の線路に並行する形で営業を続ける商店街。「銀映」という名称はかつてこの近辺にあった「板宿銀映」という映画館のことを指しており、1970年ごろに早々と閉館してしまったものの現在もその名前を残し続けている。
なお当の板宿銀映は現在パチンコ屋となっているが、どうやらリニューアルが行われてしまったようで、現在ではその姿は残っていない。
この銀映通商店街は、先述した板宿本通商店街と比べると(パチンコ店以外は)個人商店の割合がグッと高まるのが特徴。そのせいかそのおかげか通行量はやや落ちるが、その分快適なお買い物が楽しめるだろう。美しいステンドグラスの下で、映画館が並ぶかつての姿を思い浮かべながら買い物を楽しむというのもなかなかオツなものです。
板宿新町商店街(新町通)
銀映通商店街を抜けた先、板宿本通商店街と並行して並ぶ商店街。板宿本通商店街と直接接続していないこともあり、板宿エリアのアーケード商店街としては最も通行量が少ない。
他のアーケード商店街に比べるとお店の数も全体的に少なめの新町通商店街。板宿エリアのアーケード街では唯一、終日自動車や二輪車の通行が許可されているのが特徴で、京阪神地区では珍しく「アーケードの中を通る車」を昼間から見ることができる。裏を返せばそれだけ歩行者の通行が少ないということでもあるのですが・・・。
板宿センター街
銀映通商店街の北側に並行するアーケード商店街。車1台通るのがやっとの細い路地に焦点が並ぶ、典型的な関西のアーケード街という印象だ。
他と比べてやや特徴の少ないこの板宿センター街だが、「シニアの買い物客に優しい商店街」とアピールがある通り、道路が綺麗に整備され、人通りも多くなく、ラクにお買い物をできそうだ。残念ながら店舗に偏りが見られるのは否めませんが。