兵庫県神戸市中央区の一角、いわゆる「HAT神戸」と呼ばれる一帯の中に、「JICA関西」が入居する建物がある。
今回は、この建物の中にある「JICA関西食堂」というお店をご紹介しようと思う。
一般に「食堂」と聞くと、大学や会社にありがちな、安いが画一的で、まずくはないがうまくもないご飯が出る空間を思い浮かべがちだ。しかし、ここは違う。
世界各国のフードが安く食べられる食堂
なのだ。世界の料理が食べられるのに安い、という便利な場所なのである。
今回は、この「JICA関西食堂」の魅力を、実際に食べてきた経験を踏まえてご紹介する。
まず、JICA関西の立地だが、正直あまり良くない。最寄り駅である、阪神電車の岩屋駅から徒歩約10分、JRの灘駅からは徒歩15分といったところだろうか。決して駅前にあるわけではないので、そこは要注意だ。下に地図をのせておく。
JICA関西の建物を入ると、奥に食堂へと続く扉が見える。写真ではかなり大きく見えるが、実際はかなり見つけづらいところにあるので気を付けよう。
食堂の中に入ると、メニューが壁一面にズラーっと掲示されている。それぞれのメニューには番号が付いており、選んだメニューの番号札を持って会計を行い、その後、会計時に受け取ったレシートを持って行って食事と交換する、という形式が取られている。
なお、この食堂は「JICA関西で働く人の社員食堂」の役割も兼ねているため、グローバルなメニューだけでなく、カレーライスなどといった、ごくごく普通のメニューも置いてある。そしてそのせいか、昼時、特に12時台はとても混雑する。私は11時45分ごろに行ったが、12時になると同時にものすごい数の人が入り込み、一気に満席となった。できれば時間をずらしての訪問をおすすめしたい。
今回選んだのはこちら。ペルー料理である。なんと、JICA関西食堂では、毎月「月替わりエスニック料理」という形で、ある発展途上国に焦点を置く形で、その国の料理を複数合わせ、定食形式にして提供しているのだ。言うなれば「ペルー料理セット」という具合だろうか。ベトナムやタイといった日本人にもなじみのある国の料理から、ケニアやサモアといった、聞いたこともない国の料理まで出るから驚きだ。 ※新型コロナウイルスの影響により、現在は「月替わりエスニック料理」の提供を中止しています。
なお、「飲み物つき」と書いてあるが、これに関してはドリンクバーが食堂利用者全員についてくるのでご心配なく。
そして、出てきたのがこちら。
740円という値段は、食堂にしてはやや高いかもしれない。しかし、ペルー料理を提供しているお店は少ないこと、前菜・主食・ごはん・スープのフルコースが提供されていることを考えると、コスパが良いといえるのではなかろうか。
そして肝心の味だが、非常に美味しかった。筆者は本場のペルー料理を食べたこともあるが、それでも非常に満足のいく料理だった。正直に言うと、セビーチェ(エビが入ったお皿)に関しては酸味が薄く、物足りなさを覚えた。しかし、その他の料理に関してはうまくペルーの味を再現できており、特に「アヒ・デ・ガジーナ」に関しては、口をつけたときに思わず「ほぅ・・・」という言葉が出てしまった。それくらい、よく再現できた料理だった。
今回はあまり時間がなく、ご飯の後はすぐに帰ってしまったが、これ以外にも「JICA関西」では様々な展示を行っている。展示を見るだけなら無料なので、ぜひ一度足を運んでみてはいかがだろうか。