JR茨木駅周辺は、1970年の万国博覧会開催の影響を受けているせいか、大阪府内の快速停車駅としては珍しく全体的に古めの街並みが残ることで知られている。実際はJR吹田駅周辺も似たようなものだったりするわけですが。
そんなJR茨木駅周辺で一風変わった商店街といえばこちら、「春日商店街」だ。駅から歩いて4-5分という比較的好位置にある商店街ながら、ある事情から駅前に近い立地ながらなかなか味のある風景が広がっており、その様子から「隠れ家的」な商店街として知られているそうだ。今回は、そんなJR茨木駅近くに位置する商店街「春日商店街」について、その様子を見ていくこととする。
駅チカなのにアクセスに難あり「春日商店街」
春日商店街は、大阪府茨木市に位置する商店街。JR茨木駅から歩いて4-5分のところ、線路に近い場所に商店街が設けられている。商店街の始まりは1983(昭和58)年と比較的遅いものの、1958(昭和33)年に茨木市松下町にパナソニックの工場が開業してから(現在は閉鎖)、現在の春日商店街の属する通路が通勤道路として利用され、その関係から組合形成以前から店舗が立ち並んでいたという経緯があったそうだ。なおパナソニックの工場の跡地には物流施設が完成しているが、現在は新しく開業したJR総持寺駅が最寄りとなっているせいか、その手の人はあまり見なくなってしまったらしい。
そんな経緯を持つこの春日商店街だが、鉄道で駅を出るとすぐ横に見えるという視認性の良さとは裏腹に、なかなかアクセスが悪いことでも知られている。
JR茨木駅から春日商店街へのアクセスの方法を以下に示す。まずはJR茨木駅の西口へと向かい、駅前にそびえ立つ再開発ビル「茨木ショップタウン」を抜け、奥の道路へと向かう。
やや広めの道路に出たら、交差点を右折しJRの線路沿いへ。線路の下を抜ける前に「春日商店街」という文字が大量に書かれた目立ちたがりやな(笑)看板が出てくるので、線路の手前にある道へと入っていく。
側道に入っていくと、「春日商店街」と書かれたやや簡易的な設備が見られるので、ここをまっすぐ進んでいく。最初は店舗がないが、ひたすら道なりに進み続けていくと店舗群が現れる・・・
といった具合。正直、なかなか分かりづらい。入口付近に店舗があまりにないせいか、商店街と称した何もない場所だと早合点して戻ってしまった人もいるのではなかろうか。「隠れ家的」という表現が実にピッタリ合う商店街ですね。
駅チカとは思えない静かさと隠れ家感に感動した件
商店街へと到着したところで、その中の様子を見ていくとしよう。「隠れ家」とよく称されるこの春日商店街だが、その名称らしく駅チカにも関わらず人通りは少なめ。かつてはスーパーマーケットが出店し賑わいを見せていたようだが、現在はそのスーパーもなくなり静かな雰囲気が商店街全体を覆っている。
テナントを細かく見ていく。工場労働者の夜の盛り場としてスタートした経緯があったからか、全体的に飲食系の店舗が多め。比較的古めの店舗も新しめの店舗もちょうど良い具合にそろっており、このあたりが駅チカの良さだと認識させられる。
夜の盛り場という性質のせいか、居酒屋やレストラン等が多く立ち並ぶこの春日商店街。とはいえ、近年はランチにも力を入れ始めているようで、この手の商店街にしては珍しく昼間の訪問であってもそこそこ多くのお店が軒を開けていた。隠れ家的商店街の隠れ家的店舗で隠れ家的なランチ・・・ なんだか妙にハードルが上がりますね(笑)
それほど大きくもなく、お客さんで溢れる訳でもないこの春日商店街。しかしその中でも実に多数のお店が営業を行っており、現在に至るまで商店街としての体裁を保ち続けている。全国を見てもなかなか類のない商店街ではなかろうか。人で賑わう商店街も良いが、こういうちょっとクセのある商店街もなかなかオツなものです。