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元コトデンそごう・高松市「瓦町FLAG」のスカスカ具合を見物する。

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食料品店の消えた元・デパ地下とJKの聖地と化す屋上

そんな苦戦する状況下にある瓦町FLAGだが、その象徴ともいえるのが、本来デパ地下として作られた地下1階だ。フロアガイドによると、この階には「食料品・医薬品・化粧品・日用品・ビューティー・テニスのフロア」となっており、実に多種多様のお店が入居していることがわかる。どれどれ、どれだけにぎわっているのだろう。楽しみにしながらエスカレーターを下り、そのデパ地下とやらの状況を見ていくことにする。

瓦町FLAG 地下1階フロア

なんと、驚くことにスカスカだった。一体これはどういうことなのだろうか。急いでフロアマップを見てみる。

瓦町FLAG B1階 フロアマップ

なんとなんと、驚いたことに地下1階で営業している店舗はわずか3店舗だけだった。そしてなんと、ドラッグストアであるはずのココカラファインに「食料品・医薬品・化粧品・日用品」と4つもの項目がつけられ、あたかも多数の店舗が並んでいるかのような印象を植え付けていたのだ。いや、確かにドラッグストアにも食べ物・飲み物は売ってるけどさ・・・ 往年のデパ地下との差がスゴすぎて、もはや笑うしかない。

瓦町FLAG 地下街

そんな状況下にあることもあってか、このココカラファインでは本来別のテナントが入っているはずの場所にまで売場が広がっていた。まあ何もないよりはまだ良いのだろう。じゃあ売場が広がったからといってお客さんが入るのかというと別問題になってしまうんですけどね。

瓦町FLAG 屋上

そんな地下街と打って変わって人でにぎわっていたのが屋上だ。もともと誰もいないことの多い、忘れられた存在。それが一般的な「屋上」という存在になるのだが、ここに関しては違った。どういうわけか、多くの女子高生であふれていたのだ。

これはどういうことなのだろうか。不思議で仕方がなかったのだが、それとなく観察していくうちに、彼らが何をしているかがわかった。彼らは、TikTokを用いて動画を撮っていたのだ。

何もこんなところで、と思うかもしれないが、ここは四国。こんな場所であっても、そこが一番映えるなら仕方ない。地方の限界を見る一場面だった。

今も残る「そごう」の跡

コトデンそごうから天満屋へ。そして天満屋から瓦町FLAGへ。1997年開業のこの施設は、核テナントが変わるたびに大規模なリニューアルが施され、もはや原形が分からないレベルまで大きな変化を遂げてしまった。

とはいえ、そごうの跡は今も残っている。店内にいるうちは分からないが、いっぽうで店外には驚くほどそごうの姿が残っているからおもしろい。

瓦町FLAG 1F

たとえばこちらの写真。瓦町FLAGのテナントのひとつ、スターバックスコーヒーを外側から撮った写真である。一見どこがそごうなのか全くわからないかもしれないが、壁に注目して見てもらいたい。このこげちゃ色、これはそごう特有の大理石を用いて作られている。

瓦町FLAG 2F連絡通路

商店街から瓦町FLAGへと向かう道も同様だ。一見普通に見えるこちらの道だが、柱の下部にそごう特有の大理石が使われており、コトデンそごうの跡地だということを見せつけている。この柱が道しるべになっているのは事実だが、こんなところにお金を投じて良いのだろうか、疑問が残ってしまっている。

それにしても、そごうと都市の関係には実に不思議な部分が残っている。そごうが経営破綻し、コトデンそごうが閉店したのは2001年のことだが、その一方で松山市の「いよてつそごう」は今も経営母体を変え「いよてつ髙島屋」として営業中。しかも高松市より本来格下であるはずの徳島市ですら、2019年まで「徳島そごう(→そごう徳島店)」として営業を続けていたのだ。

もちろん、同じ高松市にある「高松三越」の影響もある。しかし、愛媛県の松山市にも「松山三越」が今も現役で営業を続けており、高松市と松山市が常に四国一の都市を争ってきた中で、高松市が遅れを取り始めているのが現状だ。

四国全体の人口減少による地方衰退、瀬戸大橋開通によるストロー効果が叫ばれる中で、この大型商業施設をどう活用していくのか。香川県の公共交通の雄、琴平電気鉄道の底力が問われている。

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