都会的で洗練された雰囲気の漂う御堂筋線沿線と異なり、東京のテレビ局が好みそうな「いかにも」な雰囲気の残る、谷町線沿線。しかし、沿線のほとんどが普通の住宅街が占めることから、在京キー局が谷町線沿線の取材をしている姿を当サイトの取材班は見たことがない。面白い場所なんだけどなあ・・・。
さて、今回は大阪市平野区の商店街「長吉中央商店街」へとやってきた。地下鉄谷町線からはやや離れた場所にあるこの商店街だが、現在も人々の必需品を調達する場所として一定の地位を占めている。今回は、そんな大阪市平野区に位置する「長吉中央商店街」について、その様子を見ていくこととする。
駅からは遠いけど賑わいは一級品 長吉中央商店街
長吉中央商店街は、大阪市平野区に位置する商店街。地下鉄谷町線の長原駅から徒歩10分ほどの場所に位置しており、駅からはやや離れているものの、周辺に位置する多数の集合住宅に住む人々の受け皿としての役割を担っている。
1960年代までは田んぼの並ぶのどかな雰囲気が漂っていたというこの長吉中央商店街周辺。しかし、1970年代以降次々に市営住宅が建設され、商業需要が急増。1978(昭和53)年に商店街内にアーケードが設置され、現在まで続くアーケード商店街の基礎が形成された。なお地下鉄谷町線の開通は1980(昭和55)年であり、「谷町線の開通→居住者増加→商店街形成」という説明は誤りとなる点に注意。
商店街の中へと入っていこう。現在のアーケードは1999(平成11)年に新装したもので、長い歴史の割にはそこそこ美しい姿が保たれている。距離も150mほどと長くはないものの、その距離を感じさせないほど濃密なお店が集まっている。全体的に年齢層が高い気もしたが、これはどこの商店街も同じだし仕方ないのだろう。
※2019年にアーケードを全面改装したため、現在のような状況となっている、との情報を頂きました!情報提供、ありがとうございますm(__)m
近年は商店街内の状況にも変化が見られ始めており、2019年に商店街の核店舗「スーパーナショナル長吉店」が閉店。商店街内の関係者に大きな影響を与えたという。とはいえ、その後継に「スギ薬局」が2020年に開店。さらに商店街内の東端からすぐのところには「スーパーサンコー(旧・ジャスコ)」があり、特に心配をする必要はなさそうだ。100円ショップのダイソーも入居しており、ここと商店街内の店舗があれば食料調達には困らないだろう。
振興組合事務所に出店!?中のイベント店舗にてサーターアンダギーを頂く
長吉中央商店街の中を歩いていると、なかなか不思議な店舗が建っているのを発見。振興組合事務所直営の店舗・・・かと思いきや、事務所を間借りしてイベントのような形で店舗を出店させているようで、この日は大阪各地で移動販売を行っている奄美沖縄物産武田商店さんの店舗が出店していた。
今回はこちらの「シークヮーサーあんだぁぎぃ」をお買い上げ。元々夏限定のフレーバーだったそうだが、売上が良かったため定番化した商品だそう。ちなみにアンダーギーはどれも美味しいと思っていたのだが、店主さんいわく「アンダーギーが美味しいのではなく、『上手い人が作るアンダーギーが美味しい』」のだとか。確かにこれまで食べた中で一番おいしかった気がしたが、店主さんの優しい人柄と確かな技術のおかげなのかな・・・。