大阪市で人口の最も多い区である大阪市平野区だが、中心地から遠いというその立地の悪さからか(これでも良い方だとは思うが)、残念ながら21世紀に入ってからというもの、一貫して人口が減少し続けてしまっている。高齢化も進んでいる現状があり、その将来も決して明るいとはいえないのが非常に辛いところだ。
さて、今回はそんな平野区の一地区・地下鉄長原駅近くに位置する「長吉銀座商店街」へとやってきた。駅からも比較的近い場所にあり、周辺には市営団地もあることから決して悪い場所ではないはずなのだが、この商店街の状況が相当厳しいものにあるのだとか。今回は、そんな状況下にある長吉銀座商店街について、その現状を見ていくこととする。
駅から近いのに・・・ 長吉銀座商店街
長吉銀座商店街は、大阪市平野区に位置する商店街。周辺の複数の商店街と合わせて一大商業地帯を形成している。ちなみに上にある「NGS」なる文字は「Nagayoshi Ginza Shotengai」の略称なんだとか。商店街自体は1970年代にアーケードが作られ、現在に至るまでその姿を維持している。このあたりは先日書いた「長吉中央商店街」と似ている部分も多い。
しかし、中の様子となると大違い。現在もそれなりの美しさを保っており、通行量もそこそこある長吉銀座商店街とは大きく異なり、こちらは実に昭和感満載。良い意味で当時の雰囲気を保ってはいるものの、老朽化が進み、店舗の撤退も多く、お世辞にも賑わいがあるとはいえない。
反対側から商店街内の様子を撮影。思ったよりも通路が狭いことに気付かされる。中の店舗もシャッターが並び、とても商店街として成り立っているとはいえない状況。商店街内に「河内音頭」がずっと流れているのもあいまって寂しさ溢れる状況に拍車をかけてしまっている。
長吉銀座商店街から道を1本入り、別のアーケード商店街へと入っていく。こちらは「長吉本町商店街」というこれまた別の商店街となっている。こちらは先ほどの長吉銀座商店街よりもさらにレトロ感の目立つ商店街となっており、こちらも相当厳しい状況となってしまっている。
こちらはアーケードそのものも老朽化してしまっており、非常に危険な状況。アーケード商店街のアーケードは定期的に取り換えないと使い物にならなくなってしまうのだが、その費用が高額(今回の記事のような商店街でも数千万円はかかる)なこともあり、各地で放置されている状態となってしまっている。どうやら相当苦しんでいる模様だ。
そんな商店街の一角には、「放火・撲滅!」と書かれたポスター、そしてなぜかそれに付随する形で貼られている女性たちの写真が。アットホームなんだか何なのだか・・・。