日本で最も大きい都市といえば、もちろん東京。これに関しては、関西に在住する取材班も認めざるを得ない。
そんな東京を代表する空港といえば、もちろん羽田空港、そして成田空港である。世界的にも巨大な都市圏を抱えるこのエリアには世界を代表する2つの空港が位置しており、そしてそれに付属するように、
東京シティエアターミナル・横浜シティエアターミナルという2つの施設がコバンザメのようにして、それぞれの都心に作られている。最近は特に東京シティエアターミナルが相当苦戦しているようだが、東京の都市規模を考えればまだまだ頑張れるはずだろう。本当に頑張ってほしい限りだ。
さて、東京に東京シティエアターミナルという建物があるということは、もちろん大阪にも同じようなものがあるという訳で、大阪第2の繁華街・難波にその名も「大阪シティエアターミナル(OCAT)」なる建物が堂々と建設されている。しかしこのOCATだが、現在では当初の予定とは全く違う形で活用を行われているというのだ。ということで今回は、大阪・難波に位置する商業施設「大阪シティエアターミナル(OCAT)」について、その現況を見ていくこととする。
空港どこいった「大阪シティエアターミナル(OCAT)」
大阪シティエアターミナル(OCAT)は、大阪市浪速区に位置する再開発施設だ。1994年に開業した関西国際空港へのアクセスを充実させる計画の一環として、JR難波駅の再開発とともに1996年に開業した。
「大阪シティエアターミナル(OCAT)」という名称から分かる通り、当初は関空との兼ね合いの強かったこの施設。かつてはる出発便の搭乗手続きをOCATの中で行っていたほか、隣接するJR難波駅から関空に直通する快速列車が運行されているなど、相当な力の入れようだった。
しかし、JR難波駅周辺がなんばの中心部と離れていたこと(そもそもここは「湊町駅」だし)、乗客の多い御堂筋線や近鉄電車の駅からは歩いて時間がかかることから、関空アクセスとしての地位は便利な南海電車に奪われる一方。その結果、2000年代前半にはOCAT内でのチェックインを廃止、2008年にはJR難波駅を発着する空港直通の列車も廃止されてしまい、あまりに場所が悪かったことから2004年には特定調停手続きが出され、実質破綻状態に陥るなど、その状況の悪さは相当なものだったようだ。大阪市の闇は深い。
しかし現在はその広大な設備を活かし、バスターミナルとしてにぎわいを見せているというから驚きだ。今ではおかげさまで伊丹・関空行きのバスのみならず、様々な方面へのバスが走っている有様。いったい何のための場所なんでしょうか・・・。
大阪の負の遺産らしい豪華すぎる室内
さて、大阪シティエアターミナル(OCAT)の歴史について軽く書いたところで、その中身へと入っていこう。大阪シティエアターミナルの正面玄関は一応1階にあるのだが、地下で各線難波駅に繋がっていること、2階にバスターミナルがあることもあり、正面玄関にいる人の数は驚くほど少ない。
中へと入っていこう。中は駅と直結する地下1階こそ多くの人がいるが(それでも難波とは思えないほど少ないけれども)、それ以外の階についてはご覧の有様。100円ショップや宝くじ売り場が入る1階ですら人の姿は少なく、その妙に大きな規模もあってかガラーンとした光景が広がっている。どことなくそごう感があるのは気のせいだろうか。実際そごうが入る計画もあったというし、妥当っちゃ妥当なのかもしれない。
有料だったとは思えない微妙な屋上
あまりこの建物の中をウロウロしてると不審者に思われる気がするので(笑)、まずは屋上へと向かおう。OCAT内にエレベーターは数多くあるが、屋上へと行けるエレベーターは「中央エレベーター」のみなので要注意だ。
屋上へと出ていく。非常に綺麗な屋上だ。程よく緑化されているし、お客さんも少なくてものすごくすごしやすい。難波の中心部からやや離れているとはいえ、十分歩く価値があるだろう。
OCATの割には良い設備を持っているこの施設だが、実はもともと有料だったというから笑えない。なんでも浮浪者対策で100円を徴収していたものの、あまりにお客さんが入らなかったから無料化したのだとか。まあこれくらいの屋上緑化なら百貨店にもあるし、有料じゃお客さん来ないよね。
しかしもうちょっとどうにかならないんでしょうかね。無料化したとはいえ、こんな場所にこんなもの作らなくても・・・と感じざるを得ない取材班でした。
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