近畿兵庫県明石市

明石駅南地区再開発「パピオスあかし」が子どもに優しすぎて羨ましくなった

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「子どもに優しすぎる」ことが話題を呼び、今も人口流入の止まらないことで知られる兵庫県明石市。そんな明石市もこと都市計画という点では神戸市や西宮市などと比べるとやや遅れを取っているのが現状で、2001(平成13)年、市の中心にあたるJR明石駅の東側に再開発ビル「アスピア明石」が開業したものの、駅からの導線がやや悪いのもあってか、少々課題の残る施設となっていた。

パピオスあかし

 

そんなJR明石駅周辺だが、2016(平成28)年12月、駅の南側に「パピオスあかし」なる大型再開発ビルが満を持して開業。駅前にあること、子どもに優しい様々な施設が附属していることから、現在も子育て世代を中心に多く載人々で賑わっているというのだ。今回は、そんなJR明石駅南側に新たに開業した大規模再開発ビル「パピオスあかし」について、その様子を見ていくこととしよう。

明石駅南地区第一種市街地再開発「パピオスあかし」

パピオスあかし

パピオスあかしは、JR明石駅の南側に位置する再開発ビル。「明石駅南地区第一種市街地再開発事業」により、2016(平成28)年12月に開業した。

(公式サイト画像スクショ→抜粋)

「パピオス」という名称は、公式サイトによると

市民の憩いのオアシス・殿堂となり、明石市の新しい文化を創造する広場になるようにとの願いを込めて、次のようにキーワードの文字をつないだ造語。

「パ」:殿堂のパレス

「ピ」:広場を意味するイタリア語のピアッツア

「オス」:推進するの意味のオス(押す)とオアシス

という説明がなされている。うーん、よくわからないけどそういうことらしいです(適当)

また、建物は34階建てのタワーマンションのある(低層階に一部商業機能もあり)「住宅棟」、商業・公共施設の入居する「施設棟」、そして建物中央に広がる「公共広場」によって構成。公共施設を重視した再開発施設では割と一般的な構成だ。

パピオスあかし

なお「公共広場」というのは、建物の中央2階に設けられた大規模な吹き抜けのある場所で、決して駅前の広場のことを指すのではないという点には要注意。多機能広場ということにはなっているが、取材班訪問時には新型感染症のワクチン会場となっていました。

なお、現在パピオスあかしが建っている場所は元々ダイエー明石店やその他様々な雑居ビルが立ち並ぶ典型的な郊外の駅前という様相だったようで、2005(平成17)年にダイエーが撤退したのち、商業機能の衰退や建物の老朽化が進んでいたところを今回の再開発で変えたというのが本筋のようだ。なお、パピオスあかし建設前の風景に関してはコチラのサイトに多くの写真が掲載されているため、よろしければどうぞ。

そういえば再開発ビルにスーパーが入っていないんですが、一体何があったのか気になりますね・・・。

駅直結!再開発「パピオスあかし」の内情やいかに

パピオスあかし

パピオスあかしの概要とその歴史について軽く触れたところで、ここからはそんなパピオスあかしの現在について見ていくこととしよう。

商業エリアが意外と複雑な構造をしている件

パピオスあかし

まずは下層階の商業エリアから。商業エリアは1F~3Fの3フロアとなっており、数十ほどの店舗が軒を連ねている。とはいえ、全ての店舗が商業関係ではない(特に3Fは医療関係のテナントが非常に多い)ため、実際のテナント数はその6割ほどと言って良いだろう。全体的に雑居ビルが多かったからか、核テナントとしては書店が入る程度。全体的に地元優先の開発が行われたことがよくわかる。

パピオスあかし

しかし、この「パピオスあかし」なる施設、地元優先の開発の結果やや不思議な構造をしているのもまた事実で、先述した「住宅棟」「公共広場」「施設棟」の3つのエリアが商業フロアの中で綺麗に分かれてしまっており、屋内フロアがとにかく少ない再開発ビルが出来上がってしまっているのだ。

パピオスあかし

パピオスあかし

全体的に屋外通路の多いパピオスあかし。とはいえこれは良い方向に働いているのもまた事実で、施設1F中央部にある「ときめき横丁」なんかはいかにも飲み屋が集まるような雰囲気と誰でも入りやすい美しさを両立しているし、24時間いつでも通れる自由通路が整備されているおかげでこの施設の奥にある「魚の棚商店街」に行きやすい、というメリットも生まれているそうだ。パピオスあかしを建築した大林組のWEBサイトでもこの事例については「今回の事業の狙い」として紹介されている。

パピオスあかし

そんな状況下にあるためか、数少ない1Fの屋内部分は上の写真のように、何だか実にガラーンとした景色が広がってしまっている。仕方ないといえば仕方ないが、スペースの使い方、難しいですねえ(´・ω・`)

パピオスあかし

パピオスあかし

上へと上がっていこう。上層階への移動には駅の目の前に広がる上のようなエスカレーターやカラフルな階段を使う。なお先述した魚の棚商店街には2Fから歩道橋が繋がっており、そちらから向かうことも可能だ。

パピオスあかし

パピオスあかし

2F・3Fに関しては核テナントのジュンク堂書店やマクドナルドを除くと人の流れは少なめ。不特定多数の人が通る1Fに比べて落ち着いた雰囲気が広がっていた。雑居ビルの高層階に人がいないのと同じような感じなのでしょう。ある意味これはこれで狙い通りなのかもしれませんね。

上層階の公共施設が子どもに優しすぎた件

パピオスあかし

さて、商業フロアを抜けてさらに上の階へ。4~6Fは公共施設となっており、図書館や子ども向け広場、行政窓口機能などが整備されており、人通りの多い駅前で様々な事柄が完結するように設計されている。

パピオスあかし

・・・しかし子ども向け機能の多いこと多いこと。図書館と同じだけのフロアを子供向け機能に全振りするとのも驚きだが、その世代に関しても幅広く、乳幼児向けから中高生世代向けまで様々な人々が恩恵を受けられるようになっている。

パピオスあかし

明石市が駅前にこのような子ども向け広場を設置した効果は非常に大きいようで、2019年5月に公表された明石市の資料によると

「あかしこども広場」については、利用者数が2年連続増加しており、利用者数が目標値の約3.7倍となっている。

※平成30年度の目標値:98,304人、実績値:385,959人

という記載がなされている。これは明石市にとっても嬉しい誤算だっただろう。おかげ様で取材班が訪問した際は通路がベビーカーで溢れてしまっていたが、これからの将来を担う子どもたちの為なら仕方がない!!

屋上から見える明石城が意外と良かった

パピオスあかし

公共施設を見た後は、屋上階にある屋上広場へ。広場といってもコンクリートにベンチが置いてあるのみといういたってシンプルなものなのだが、ここから駅の北側にある明石城が見えるという。

パピオスあかし

その様子がコチラ。大阪城や姫路城のように天守がないため、少々地味に見えるのは否めないが、それでも立派な城壁や石垣を一面に臨むことができ、当時の面影をひしひしと感じることができる。周辺に高い建物がないため広い範囲を見渡せるのも良い点だ。

パピオスあかし

ちなみに屋上広場から東側を臨むと、JR明石駅前のもう一つの再開発ビル、アスピア明石の様子が・・・。同じ再開発ビルながら対照的な状態になってしまったこれらのビルだが、いったい何が原因なのだろうか。政治力、とかなんですかね??(苦笑)

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