先日の記事にて、六甲アイランド内に位置するバブルの香りあふれるショッピングセンターを紹介した。ダイエーが核テナントとなっており、それ以外にも実に多数の個性的な店舗溢れる空間だったことを記憶している。
そんなダイエーが核店舗となっているショッピングセンターは、六甲アイランドのみならずその隣にあるポートアイランド内にも位置しており、こちらはこちらで実に渋い景色を映し出しているのだという。今回は、そんなポートアイランド内に位置するショッピングセンター「ポートアイランドショッピングセンター」について、その様子を見ていくこととする。
今や島唯一「ポートアイランドショッピングセンター」
ポートアイランドショッピングセンターは、その名の通りポートアイランド内に位置するショッピングセンター。ポートライナー「みなとじま」駅前に位置する住宅団地「エバーグリーンポートアイランド」内に店を構えている。開業は1981(昭和56)年と、現在ではかなりの古株にあたる。
なお、「エバーグリーン」というのは準大手ゼネコン・熊谷組が建設・分譲したマンションシリーズになるようで、2023年7月現在の熊谷組のサイトには掲載されていないものの、検索すると全国各地に多くの物件が建設されたことが見て取れる。今回ご紹介するポートアイランドショッピングセンターもこの住宅エリアの一部をくり抜く形で建設されており、家々と完全に一体化した形となっている。
かつてはダイエー系大型会員制スーパーの「Kou’s」に大型ショッピングモール(ディスカウントストア)の「バンドール」、各地のレストランやが集まり、ライブステージも併設する「レストランビルエキゾチックタウン」など、実に多数の大型商業施設が集まっていたポートアイランド。しかし時代の流れや震災の影響、ダイエーの経営破綻によりポートアイランドから多くの商業施設が消えてしまい、今や大型商業施設といえる存在はこのショッピングセンターと「IKEA神戸」を残すのみ。ショッピングセンターとしての存在はもはやこれだけとなってしまった(なお、スーパーは島内にもう1店舗あり、合計2店舗)。
そんなポートアイランド唯一の存在となってしまったこのポートアイランドショッピングセンターだが、どのような状況となっているのだろうか。ここからは、ポートアイランドショッピングセンターの状況について、核店舗となっているダイエーとそのグループ会社の関係性を見ながら見ていくこととする。
ダイエー色が濃すぎた過去も、今はだいぶ薄め
ポートアイランドショッピングセンターの概要について触れたところで、その内部へと入っていこう。建物は駅から大通りを経た向かい側にあり、歩道橋を渡って住宅やショッピングセンターへと向かう形となっている。
さっそく中へと入っていこう。1981年開業というその歴史の長さもあり、なかなかの年季を感じる仕様。少々照明が暗めだが、そのあたりは仕方ないか。
ダイエーが核店舗に入っているというその事情もあってか、館内のテナントもなぜかダイエー系の施設が多く、核テナントとなっている「グルメシティ」のほか、元ダイエー系列(現在はゼンショー系列)の「ビッグボーイ」、さらに現在は閉店しているものの(2017年閉店)、日本初のハンバーガーチェーン「ドムドムバーガー」が立地するなど、なかなかに色の濃い施設が出来上がっていた。
さすがに現在ではそれもなくなり、多種多様な施設へと転換してはいるものの、それでも100円ショップの「キャンドゥ」が出店したのが話題になった程度で、全体的に垢抜けない施設となっているのは否めない。島内の人口も減少してきている状況だし、普段使いのモールという立ち位置では厳しいのでしょうね。ただ過去の歴史を見るとあまり大きなものを作るのもまた違うし・・・難しい。
な、なんと
キャンドゥの前にオアシスの二階にあった清中生なら一度はお世話になってる
100均が神戸のポートアイランドに!!!店長とあのマシュマロ女子の店員さんと
奇跡の再会!!。 pic.twitter.com/RRNECzGlxW— Itsuki (@Itusuki0604) June 7, 2015
※元々ポートアイランドショッピングセンターには「100円ショップ ひまわり」なる個人経営?の店舗があったのですが、こちらは2022年7月に閉店しています。
外の様子を見ていこう。ポートアイランドショッピングセンターの西側店舗は、その多くが外側にも入口を設けており、中からも外からもアクセスができる形となっている。ちなみに訪問時は外に全然人がいなかった・・・。外は暑いから仕方ないですね(笑)
※画像はイメージです
そういえば、先ほど「100円ショップのキャンドゥが開店」という話を出しましたが、よくよく考えたらキャンドゥもイオン系列(=現在のダイエーと同企業)という・・・ どうやらこのショッピングセンターとダイエーとは切っても切れないようです・・・。
神戸あのまち、あの時代 1889-2009/神戸市/神戸都市問題研究所