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大阪キタの繊維問屋街「新大阪センイシティーゆめっせ」の栄枯盛衰っぷりを観察する

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大阪を代表する繊維屋街と言えば、何と言っても中央区の「船場」が有名だろう。古くから繊維問屋や商社などが並び、現在も地下鉄本町駅に直結する「船場センタービル」を中心に現在も多数の繊維関係の店舗が並ぶ個性あふれる場所となっている。以前、当サイトでも船場センタービルの様子を特集したのでよろしければどうぞご覧下さい。

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新大阪センイシティーゆめっせ

そんな大阪を代表する産業の一つである繊維業だが、船場や梅田といった中心部にあまりに集中してしまい過密が問題となってしまったことから、高度経済成長期から郊外への移転が進んだことは意外に知られていない。そしてそれらの繊維街は現在、繊維業そのものの海外移転が進んだことから、どこも最盛期には遠く及ばない状況になってしまっているのだという。今回は、そんな繊維業の栄枯盛衰っぷりを示す施設の一つ、「新大阪センイシティーゆめっせ」について、その様子を見ていくとする。

元・日本最大の繊維問屋街「新大阪センイシティーゆめっせ」

新大阪センイシティーゆめっせ

新大阪センイシティーゆめっせは、JR・地下鉄新大阪駅の北西側に位置する再開発ビル。jR大阪駅前の再開発に伴い、その南側にあった繊維問屋街が新大阪に移転する形で1969(昭和44)年9月に開業した。なお、正式名称は「新大阪センイシティー」で、「ゆめっせ」は愛称となっている。「ゆめっせ」という愛称は「夢」+「メッセ」でゆめっせなのだとか。

新大阪センイシティーゆめっせ

1969年の開業当初は1~3号館の3つの建物に350社というもの凄い数の店舗が入居。上層階にはホテルや展示場も設けられ、その規模の大きさと流通量もあいまって想像もできないほどの賑わいを見せていたそうだ。

新大阪センイシティーゆめっせ

ところが、その賑わいを見せたのも今は昔。繊維業そのものが海外に移転したこと、ユニクロなどのファストファッションが台頭したこと、直接取引が広まり繊維卸という形態が時代遅れになってしまったことなどから、入居するテナントが次第に減少。施設そのものの老朽化もあいまって、2006(平成18)~2013(平成25)年にかけて建物の建て替えを行い、同時にテナントの集約を実施した。

新大阪センイシティーゆめっせ

しかしその結果、新しくなった新大阪センイシティーゆめっせには繊維問屋とは全く関係のない店舗が多数入居。繊維関係の店舗はたったの30店舗ほどまで激減、一部はマンションやオフィスに建て替えられ、当初の機能を徐々に失いかけている状況となっているのだとか。ここからは、そんな繊維産業としての機能を失いかけている新大阪センイシティーゆめっせの今の様子を見ていくとしよう。

繊維問屋が並んだ街の風景、建て替え後の今は・・・

もはや繊維街の面影なし「1号館」

新大阪センイシティーゆめっせ

新大阪センイシティーゆめっせの概要や歴史を見たところで、その様子を見に行こう。まずは1号館から。現在はオフィスやマンション「プラウドシティ新大阪」というマンションが建設されており、新大阪センイシティーゆめっせの面影が最もない施設となっている。

新大阪センイシティーゆめっせ

新大阪センイシティーゆめっせ

なお、新大阪センイシティーゆめっせの北側に存在した繊維街も現在ではかなりの部分がマンションや駐車場などに建て替えられており、その面影はあまり見られない。仕方ないとはいえ、残念だなあ。

唯一の生き残り「2号館」

新大阪センイシティーゆめっせ

続いては2号館へ。現在はわずか30店舗ほどとなった繊維関係の店舗を収容する唯一の建物となっている。

新大阪センイシティーゆめっせ

とはいえ、こちらも全てが繊維関係のテナントで占められている訳ではなく、実際は建物の半分以上がスーパーの「ライフ」となっている。高さが違うとはいえ、明らかにライフのほうが広いんですがそれは・・・(笑)

新大阪センイシティーゆめっせ

新大阪センイシティーゆめっせ

中の様子を見ていこう。建物は新しいだけあってピカピカ。しかし、テナントがあまりに少ないせいか、人出が少なく、寂しさあふれる景色が広がっているのもまた事実。建物は4階建てとなっているが、実際外部の人間が入れるのは2階までだし、テナントも多くないとなると大型ショッピングモールに人が流れるのも致し方ないか。

新大阪センイシティーゆめっせ

店内に釣り下げられる「いいもの、グッドプライス。」の看板も悲しげそうな姿をしている。グッドプライス以前にモノが全然ないですからねえ・・・(苦笑)

新大阪センイシティーゆめっせ

新大阪センイシティーゆめっせ

なお余談だが、新大阪センイシティーの建物とスーパー「ライフ」の建物は中で繋がっており、それぞれ行き来できるようになっている。良いんだか悪いんだか。

大型店のハコになりました「3号館」

新大阪センイシティーゆめっせ

新大阪センイシティーゆめっせ

最後に3号館へ。現在はホームセンターや家電量販店、スポーツ店や100円ショップなどが入る大型の商業施設が入居している。名前こそ「新大阪センイシティー3号館」だが、その中身に面影は全く残っていない。

新大阪センイシティーゆめっせ

現在は最盛期の面影どこへ・・・となってしまった新大阪センイシティーゆめっせ。しかし、あくまでここは大阪。入口の横には大阪感がプンプンするいかにもド派手な看板が設置され、その鮮烈な印象を現在に至るまで残し続けていた。その看板からあふれる悲哀感を、取材班は感じずにはいられなかった・・・。

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