神戸市東灘区のJRの中心・住吉。新快速の止まらない駅ではあるものの、その利用者は新快速停車駅の芦屋駅よりも多いというから、その人の多さがうかがえる。
そんなJR住吉駅の北側には「神戸のオー・シャンゼリゼ」という不思議な愛称を名乗る商店街があり、目下活性化の最中なんだとか。今回は、そんなJR住吉駅前に位置する商店街「神戸住吉ありまみち商店街」について、その様子を見ていくこととする。
神戸のオー・シャンゼリゼ「神戸住吉ありまみち商店街」
神戸住吉ありまみち商店街は、JR住吉駅北側、山手幹線へと向かう坂道に位置する商店街だ。距離は300mほどと、それほど長い商店街ではないものの、2022年現在70年ほどの歴史を誇る商店街となっている。
この神戸住吉ありまみち商店街、近年では「神戸のオー・シャンゼリゼ スミヨシティ」と自身を名乗り、
アーケードもなく、ほどほどにお店が立ち並び、すいすい行き来ができる。
などという言葉とともに宣伝を行っている。商店街内で発行するガイドブックも「スミヨシティ」という名前で宣伝。余念がない。そういえば尼崎にも「シャンゼリゼ通り」を名乗る商店街があったが、こんなところで被るなんて驚きですね。まあ中身は全然違うわけですが。
商店街の中の様子を見ていこう。関西の商店街にありがちなアーケードやノスタルジックな街灯は一切なし。2021年に街路灯タペストリーがリニューアルされたそうだが、こちらもなかなかシャレオツだったりする。坂道の上にあるような商店街だったりするし、これが神戸らしいといえば神戸らしいのかもしれない。
そしてその状況に違わず、シャレオツなお店が並んだり・・・並んでなかったり。まあ商店街なんてどこもこんなものです。一部を除いて(笑)
有馬へ向かう道=ありまみち(有馬道)
さて、この神戸住吉ありまみち商店街、「ありまみち」という名前にある通り、有馬温泉へ向かう道としての役割も担っていた。元々ここは大阪~有馬温泉間を行き来する道としての役割があり、大阪から東海道線に乗ってここ住吉へ行き、六甲の山を越えて有馬温泉へと向かっていたのだとか。
とはいえ、道路網・鉄道網が整備された今となってはこの道を使って有馬温泉へ向かう人は皆無。地元住民の使う道路として細々とその姿を現在にとどめている。いわゆる「名残」というやつですね。
駅ビルも商店街の一部です
商店会の活動により、着々と加盟店を増やし続けている神戸住吉ありまみち商店街。その加盟店には、何とJR住吉駅の駅ビルであるはずの「リブ・シーア」も含まれていた。再開発ビルに入る店舗が商店会に入るという例はあるが、ビルがまるまる商店会の一員として入るという話は初めて聞いた。コープ系の商業施設とはいえ、これは驚きだ。
この要因には何があるのかと考えていたところ、なんと商店街の入口にコープこうべの本部がデカデカとそびえ立っていた。地元の方々から「コープさん」と親しまれるコープこうべですが、こういう気遣いができるあたりがさすがコープさんなんですよね、そう感じずにはいられませんでした。