駅の南側にある再開発ビルばかりが目を引く、JR立花駅周辺。もちろんこれらの再開発は非常にインパクトが強く、取材班も度肝を抜かされてしまった。
そんな駅の南側ばかりが注目されるこのJR立花周辺だが、駅の北側には多くの商店街が形成されており、地域の人々の憩いの場として親しまれている模様。そしてそれらの商店街には、「シャンゼリゼ通り」「モンテーニュ通り」等、日本とは思えない実に奇妙な名前が付けられているというのだ。今回は、そんな商店街群の一つ「立花商店街」について、その様子を見ていくとする。
立花のモンテーニュ通り「立花商店街」
立花商店街は、兵庫県尼崎市・JR立花駅の北側に位置するアーケード商店街だ。その歴史は古く、1965(昭和40)年に商店街の振興組合が設立したのち、翌1966(昭和41)年には早くもアーケードを造営。2002(平成14)年にあけーどの大規模改修を行ったのち、今に至っている。立花地区では最も規模の大きな商店街となっており、南口側で大規模再開発が行われた今にあっても、多くの人々で賑わいを見せている。
アーケードの中へと駒を進めていく。メインの部分だけで南北300m、その周辺も含めると累計500mにも及ぶという比較的大規模なこの商店街。全盛期に比べると客足が落ちたそうだが、それでも多くのお店とお客さんで賑わいを見せている。
その店舗構成も多種多様で、関西ではよく見るチェーン店もあれば、
いかにも昔から営業を続けていますという雰囲気のプンプンするお店も現役で軒を連ねている。このミックスが本当に良い。
「WE SELL Kodak PRODUCTS」というコダックの看板が当たり前のように設置されており、何というかほっこりする。フィルムカメラという言葉も最近じゃめっきり聞かなくなりましたが、こういうのを見るとなぜかほほえんでしまう自分がいます・・・。
地元の方々で賑わいを見せるこの立花商店街。そんな商店街の一角には「モンテーニュ通り」なる奇妙な看板が設置されている。一体これはどういうことなのだろうか。
これに対し調査を進めたところ、立花地区の商店街にはそれぞれ「シャンゼリゼ通り」「モンテーニュ通り」などの名前がついており、これらの名前はフランスの首都・パリにある実際の通りの名前から取られているらしい。なんでも区画整理事業によって立花駅前の道路が放射線状に整備された際、その様子がパリのように見えたことから、無理やりパリっぽい名前をそれぞれの商店街につけてしまったのだそうだ。何だか実に不思議な話だし、それで観光客が増えているようにも見えない。一体何がしたいのかよくわかりません。
このいかにも日本風の商店街を「モンテーニュ通り」だと思え、というのも実際無理な話で、神戸新聞社の動画でも「無理くり」と表現されている通り、「とりあえず何もしないよりは良いかと思ってやってみました」感が否めない。ちなみに本家・パリではメインストリートにあたる「シャンゼリゼ通り」は「立花東通商店街」が該当するそうです。
ちなみに本物のモンテーニュ通りはこんな感じ。うーん、やっぱり立花商店街をモンテーニュ通りとして見ることはできません(笑)
商店街を先へと進んでいこう。商店街には一部切り欠きのような部分があり、歩いていて非常に面白い。大阪の今市商店街にも似たような風景があったが、案外よくある光景なのかもしれない。
さすがに商店街も奥へと入っていくと空き店舗が目立ってくる。さすがに駅から離れると厳しいものがある模様だ。
立花商店街の終点へとやってきた。立花商店街の北側には「立花ショッピングセンター街」という商店街が広がっており、お店の数こそ少ないものの今も一部のお店が営業を続けている。まいぷれでのサイトにはなるが公式ホームページも作られており、気合が入っていることがうかがえる。それにしても、「駅からの遠いさでは、負けません!」という自虐的なメッセージが哀愁を感じさせることこの上ない。
商店街の中を回っていく。普通の住宅地に近い景色が広がっているが、令和の世となった今も歩行者天国が続けられており、東京ではありえないような光景を見渡せる。ここまで来るとお客さんも多くないが、ある意味貴重な風景といえるのかもしれない。
それにしてもこの場所、「お買い物は商店街で 立花ショッピングセンター街」と書かれているんですが、一体ここは商店街なのでしょうか、それともショッピングセンターなのでしょうか。おそらく分類上は商店街なのでしょうが、いったい何だかよくわかりません。
立花ショッピングセンター街の終点から、立花ショッピングセンター街と立花商店街の様子を見つめる。商店街の苦境が続く今だが、今後とも商店街の方々には精一杯頑張っていただきたいと感じた取材班でした。