高槻市を散策中、非常に賑わいを見せるアーケード商店街「高槻センター街」があったので今回ご紹介。
松坂屋とコラボ「高槻センター街」
高槻センター街は、大阪府高槻市にある全長300mのアーケード商店街だ。阪急高槻市駅とJR高槻駅とを結ぶ道路の一つに設置されたアーケード商店街となっており昼夜を問わず多くの人々で賑わいを見せている。
高槻センター街の歴史は古く、その歴史は昭和初期にまでさかのぼる。1928(昭和3)年に阪急電鉄の電信である京阪神急行電鉄が高槻町駅(現・高槻市駅)を開業。それに伴い、商店がいくつか集まった結果、3年後にあたる1931(昭和6)年に「新京町商店街」なる名称で商店街が誕生。その後、1971(昭和46)年に名称を「高槻センター街」に変更し、アーケードを設置、今に至るのだとか。大規模な商店街とは言い難いこの高槻センター街だが、その歴史の長さには目を見張るものがある。なお昔の写真は高槻センター街の公式サイトにも掲載されており、そちらでもその様子をうかがうことができる。
商店街の中へと駒を進めていこう。阪急高槻市駅とJR高槻駅の間に位置する、と書いたが、実際は阪急・JRの双方の駅から2-3分歩く必要があり、特に阪急側の人出はそれほど多くはない模様。実際梅田から高槻へ行くとなるとJRのほうが時間も運賃も有利だし、仕方ないか。
とはいえ、通りを少し進んでいくと途端に人出が多くなり、この商店街の底力を見せられる。さすがに歴史のある商店街、この点は強さなのかもしれない。
なおこの手の商店街の特徴として、往々にしてチェーン店が多くなるという部分があるのだが、高槻ともなるとその需要も多くなるのだろう、ここはご愛敬か。
とはいえ、チェーン店ばかりが増えていくことには商店街側も危機感を持っているようで(「このままでは高槻センター街が持つ魅力が低下し、来街者の減少や商店街としての活気が急激に衰退していくのではないか」という記載が見られる)、現在では商店街側で様々な事業を行っている。個人店を特別にプッシュするということは行っていないようだが、結果的に個人店は多く並んでいるあたり、うまくやっているのだろう。
高槻センター街の店舗は実にバラエティに富んでおり、スーパー銭湯まで設置されている。商店街組合側からも「さらなる活性化の起爆剤」として期待されている存在なのだそうで、ホテル「ワークホテル高槻」なども併設されている模様。これは商店街にとって強い存在ですね。
ところで、高槻センター街の中を歩いていると「高槻センター街×松坂屋」という垂れ幕やポスターを見ることができる。これは近隣に1979(昭和54)年に開業した高槻松坂屋のコラボで行っているもので、具体的な取り組みとして、松坂屋と高槻センター街との共同での折込広告の配布、フリーペーパーの発行などを行っているとのこと。
なお、先ほどの垂れ幕は、高槻センター街のマスコットキャラクター「高槻セン太」と松坂屋の公式キャラクター「さくらパンダ」とが一緒になっているもので、「駅南を遊ぼう!」と書いてある通り、JR高槻駅の北側にあるショッピングモール「アクトアモーレ」や商店街の「芥川商店街」に対抗するためのものだと思われる。駅を挟んだ競争が激しいJR高槻駅周辺だが、お互いに切磋琢磨して頑張っていただきたい限りだ。
昭和の面影残る「高槻市場」
高槻センター街の中を歩いていると、その一角に「高槻市場」なる市場が立地している。現在まで残る市場としては珍しく、八百屋や鮮魚店、惣菜店などの食料品店のみならず、衣料品店がともに入居。昭和30年代から現在に至るまで、実に60年以上もの歴史を持つそうだ。
高槻市場の中を見ていく。いかにも昭和の雰囲気残る雰囲気が漂っており、見ていて非常に面白い。
「あなたの笑顔・・・!!」という看板が取材班の目を引く。経年劣化の隠せない外観や店内だが、それでもたくさんの人々で賑わいを見せているあたり、相当地元から愛されている市場なのだろう。今後とも頑張っていただきたい限りだ。
なお余談だが、この近隣に「真庭市場」なる店舗がお店を構えている。一見こちらも何かの市場と勘違いしてしまいそうだが、こちらは岡山県真庭市がセレクトショップとしてお店を出しているもので、昔から残る市場では決してない。お間違いなきように。