2025年大阪万博の行われる地、夢洲。1988年に策定された「テクノポート大阪」構想により、咲洲、舞洲とともに建設されたこの夢洲だが、咲洲や舞洲が本来の目的とは違う形であるとはいえ開発が行われたのに対し、この夢洲は行政による介入が行われることないまま平成の30年を終えてしまった。
しかし、この夢洲は今、大阪万博に向けて、変わろうとしている。2025年に行われる大阪万博に向けて様々な面からの開発が目下進行中の他、大阪メトロ中央線の延伸や統合型リゾート(IR)に関する開発、さらには大阪メトロが高層する高さ250m超えの超大型高層ビル「夢洲駅タワービル」の建設等、公民双方の面から様々な形で開発が行われている最中だ(なんだか咲洲のWTCに似たニオイを感じるのは気のせいでしょう)。
今回は、そんな様々な点で話題となっているこの夢洲が、2021年時点でどうなっているのかを実際の訪問記とともにお届けする。
<夢洲へのアクセス方法についてはコチラ>
2025年大阪万博の行われる地、夢洲 そこには何が?
さて、ついにやってきました、夢洲。先日の記事でも述べたが、夢洲に行くにはバスはもしくは車を用いるしか方法が無く、まさに取材班にとっては「近くて遠い孤島」的存在だったのだが、ついにやってきてしまった。それにしてもずいぶんとファンシーな色合いだな、おいおい。どこかのテーマパークへ連れていかれそうな匂いしかしないが、ご安心下さい、夢洲と舞洲にしか行かないバスです。一応テーマパークの最寄り駅にも行くけどね。
夢洲は主に3つの地区から構成されており、西側にある巨大な太陽光発電「大阪ひかりの森」、中ほどの大阪万博パビリオン建設予定地、そして東側にあるコンテナターミナルや工場などの工業地区から成り立っている。まあ最終的には全部追い払われて大々的に開発が行われるのでしょうが、島だけ作って何もしないのももったいないしとりあえず何か作っとけ!!みたいなノリで微妙に開発されてしまった模様だ。まあ開発当初は廃棄物の最終処分場として使われていたようだし(というより今もそうなのだが)、何やかんや生活を支えている重要な存在なのは確かだ。
なお、現在一般人が立ち入れるのは東側エリアのみ。かつては西側の「大阪ひかりの森」も見学することができたのだが、某ウイルスの影響で目下見学の受け入れを中止しているとのことです。
夢洲の状況について軽く解説したところで、さっそく様子を見ていこう。先ほども書いた通り、一般人が立ち入れる東側地区はコンテナターミナルや工場といった工業地区となっており、その名の通り一般人にはなじみの薄い存在だ。
なお、「工業地区」とは書いたものの、実際には大半がコンテナターミナルとなっており、工場は1軒のみ。そのため「工業地区」というよりは「コンテナ地区」と表現したほうが近いのかもしれない。実際バスに乗ってた人はみんなコンテナターミナルに向かっていったしね。
そしてこれはコンテナターミナルの宿命なのか、道端には多くのトラックが今か今かとそのときを待ち構えるかのようにして止まっていた。今はトラック以外来ないような場所だし別にこれでも良いのかもしれないが、多くの人が来訪する万博の際にこの状態になることを想像すると、ゾッとせずにはいられないのは取材班だけだろうか。
そしてその向かいには大量のトラックが並ぶ発着場が整備されていた。相当土地余ってるんでしょうね・・・。まあ2025年までの話になりそうですが。
コンテナターミナルを抜け、1つだけあるという工場地区へと向かう・・・が、横断歩道がガードレールでふさがれている。このように、夢洲ではなぜか横断歩道が1か所を除いて整備されておらず、上のようにガードレールで横断できないようになっている。どうやら歩行者の通行は想定されていないようだ。先日の記事でも「車での訪問をおすすめします」と記載させて頂いたが、その裏にはこのような事情があったんです。
横断歩道のない夢洲だが、歩道そのものはかなり整備されており、アスファルトで舗装された道路が広がっている。しかしこれも全域には整備されていないようで、一部では雑草が生い茂る土の道なき道が広がっていた。なんだかスゴい風景だな・・・ どこかの田舎ならまだしも、日本第二の都市・大阪でもこのような景色が見られるとは思いもしなかった。
もちろんマンホールも大阪市仕様のものが置かれている。なんだかどこにいるのかよくわからなくなってしまうが、やはりここは大阪なのだ。ちなみにかのユニバーサル・スタジオ・ジャパンにも「大阪ガス」のマンホールが設置されています。気になったら探してみてね。
工場の前にたどり着いた。こちらの建物は「横浜冷蔵」という食品会社の工場で、2014年に建設された比較的新しいものなのだそうだ。天井には大型の太陽光発電も整備されており、営業冷蔵庫としては初の売電も行っている模様。なかなか革新的な施設となっているらしい。2014年に作っておいて申し訳ないんですが、これも大阪万博の際には取り壊されてしまうんですかね。さすがにそんなことはないと願いたいんですが。
コンテナターミナルのすぐ近くまで戻ってきた。このエリアは島の中心部にあたり、多くのトラックや通勤と思われる自動車が行きかっている。島唯一の信号や横断歩道もここに整備されており、この交差点の重要性がうかがえる。どこかの田舎かよと勘違いしてしまいそうな光景だが、何度も言いますがここは大阪市です。
そんな中心部には、島唯一の商業施設、「セブンイレブン大阪夢洲店」が営業しており、島にいる人々の憩いの場となっている。アクセスの悪い夢洲地区にあって、この存在は貴重だろう。Googleマップには
バイクがね、バイクでよくバイクがバイクしてるんですね。 だからバイクしてバイクがどんどんバイクなんですよ。 トンネルにもどんどんバイクしてるんてみなさんも気をつけてバイクでバイクしてください。
というなんだか何を言いたいのかよくわからないレビューが書かれているが、まあ普通のセブンイレブンでしたよ。
ちなみにこのセブンイレブンですが、港湾労働者の方々でにぎわっていましたよ。この手の方々って、見た目はいかついんですが中身はめちゃめちゃ優しいんですよね。大阪万博が行われるだなんて想像もできない場所だったが、人の優しさを知れる素晴らしい場所でした。